響きのある美しい音でピアノを弾くためには、演奏テクニックが必要になります。
しかし、「脱力してらくに弾いて美しい音を出す方法」のテクニックを身につける前に重要なポイントがあります。
ピアノを弾く前の段階で大切なことはこちらでご紹介しました。
ピアノを弾くために、大切な基本となりますので何度も繰り返し確認して頂くと、次へのステップがスムーズにすすめられると思います。
ピアノの音を響かせる 音の出し方・打鍵の仕方と注意点
では、実際に弾く時にどうすればいいのか?
今回は、音の出し方の基本として「打鍵の仕方や注意点」をご紹介します。
ピアノの音を響かせる 打鍵の仕方
まず、「打鍵」とは
字のごとく、鍵盤を打つということ。
打つってどういう感じ?となりますが、ボールの弾みのようなイメージで鍵盤をギュッと下に押し続けるのではなく、ポンと跳ね返ってくる感じです。
例えば、木琴でもその他の打楽器でもポンとたたきます。決して押し続けるわけではありません。
ピアノも同じで、弾いたあとは押し続けても音が大きくなったり、音が持続するわけでもありません。
ある程度短い音は、自然な重みで打つイメージになります。
では長く伸ばす音の場合はというと、鍵盤を触る瞬間は打つ感じですが、伸ばしている間の手は力を加えることなく乗っかっているだけになります。
乗っかっているだけというのは、力で押し続けないということ。いわゆる、力を抜くということです。
押し続けることをすると、固く止まった音になります。
力を抜いてらくに乗っかった時に、音が響きます。
ピアノの音を響かせる打鍵の注意点
- 基本、手首は鍵盤を一番下まで下げた時(1㎝)よりも下げないこと。
これは以前にもお話したように、下げすぎると腕や手の重さが鍵盤に移せないからです。
重さは、高いところから→低いところへ流れます(お水の流れと同じ)
- 打鍵したあと、動きを止めないこと。
先ほどの「力を抜いて乗っかる」も、じっとするのではなく、ピアノ方向(鍵盤の根元)にゆっくり動かし続けることが大事です。
- 打鍵の時の指は、骨で弾く。
指先で弾くという表現が多いですが、音色の使い分けで指の腹で弾く場合もあります。
響きのある張りのある音を出したいときは、固いピアノの鍵盤と指の固い骨で弾くことで細い繊細な音が出たり、締まった音が出ます。
このように、どんな音が欲しいのか・どんな音色を作りたいのか…で弾き方は無数にあります。
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当教室では、
締まった指先とか、爪の近くでとか、の表現より骨で弾く!がストレートに伝わります。
「どういうことだ?」と考えることが、集中し工夫につながる効果があると思っています。
そして、動きを止めない!の表現も「だんだん起立して」とか「ハチミツとろ~り」とか「タイヤを前に転がして」とかが伝わりやすいです。
ただ、ゆっくりとした動きで丁寧であることがとても大切です。
形だけをまねすると鍵盤から指が離れたり、雑になり目的がズレますので、音をよく聴く!という集中力を使いながらやっています。
ピアノの音を響かせる打鍵の仕方がさまざまな音を作る
- スタッカート
- スラー
- 長い音
- 強弱のつけ方
ピアノ演奏の基本になります。
これらの基本をマスターすることで、ピアノを美しい音で弾くことの土台固めが出来るでしょう。
次回、上記の項目をご紹介します。
ピアノの音の響かせる 出し方・打鍵の仕方のまとめ
ピアノを弾くためにらくに弾く方法として
③音の出し方・打鍵の仕方
をお伝えしてきました。
①でお伝えした基本の座り方は、演奏時に「無駄な力を使わずらくに弾く」とても大切なポイントとなります。
(注意点)あくまでも「基本の形」であるということです。
演奏は、いろんな音・テクニックを要します。頭を前に傾けて鍵盤を見つめたり、音を遠くに飛ばすために身体の前の空間を広げるために、腕ものばし頭も後方にする場合もあります。
※テニスや卓球やゴルフなど、あらゆるスポーツでのストロークのあとは基本のフォームに戻って構えますよね。
基本の形から動きが始まり、また基本に戻る。という感じになります。
②それぞれの部位の力を止めないということが大切になり、「関節を硬く固めない」ということになります。
(注意点)決して楽ちんに弾くということではありません。
③ピアノの音を響かせるために、音の出し方として打鍵のやり方によっていろんな音が出せると言うことがわかったと思います。
硬い音を出したいときは、ガチッと打鍵(手や手首)を止めればいいし、柔らかい音や響きのある音を出したいときは、弾いた手や腕を止めないということです。
重さを逃がす…などの言葉もピンとくるかも知れません。
とにかく、打鍵の基本をわかった上でいろんな奏法のテクニック勉強が始まります。
動きやすい手・疲れない弾き方・美しい音を出すためには、
無駄な力を抜き、力みのない身体から自然な重みを流すという脱力が、響きのある美しい音でピアノを弾くことに繋がります。
これからシリーズでお伝えしていく細かいテクニックや奏法も、力を使って頑張るのではなく、らくに重みを使って弾くというポイントは全て共通になってきます。
次回は
- スタッカート
- スラー
- 長い音
- 強弱のつけ方
の基本のやり方をご紹介します。
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やはり今回も、細かいニュアンスは文字でお伝えするには難しいこともありました。
もっと知りたい方、ご質問はお気軽にお問い合わせからお尋ねください。
個別レッスンも承っております。
1月から「らくに弾く」実践会を開催します。
準備ができ次第、お知らせいたします。