うまくなる近道!メトロノームの使い方【1】 メトロノームの種類とメリットとデメリット

メトロノームは、一定の速度を保ったり、拍をきっちり刻んだり、リズムの確認や音楽の流れを止めない練習をするのに、最適なツールです。

 

ただ、使い方を間違うと逆効果になってしまうことがあります。

 

メトロノームを上手に活用すると、拍を身体で感じられるようになり、安定した流れで演奏できたり、リズム感も身に付きます。

 

実際に曲を演奏するときに、メトロノームの一律なテンポで弾くわけではありません。

 

柔軟なテンポの揺れや、音楽性豊かに弾くために、メトロノームを使って立体感や空白感も養うことができます。

 

これから数回にわたり、ピアノ練習に効果的なメトロノームの使い方を、初心者・初級者・中級者に分けてご紹介してまいります。

 

今回は以下について紹介します。

  • メトロノームの種類
  • それぞれのメリットとデメリット

 

メトロノームの種類とメリット・デメリット

 

メトロノームは、振り子式・電子式・アプリと、3つの種類があります。

それぞれのメリットとデメリットをご紹介し、最後に私の見解も書きます。

 

 

◆振り子式メトロノーム

まずは振り子式のメトロノームのメリットの紹介です。

  • 音が自然(意外と他の楽器に負けず聞きとりやすい)
  • 振り子の動きが視覚としてとらえられ、拍と拍の間を感じることができる
  • テンポ設定(重りを動かすだけ)が簡単
  • それぞれの速さによって、振り子の動き(重み)を感じ取れてイメージがふくらむ

 

続いてデメリットです。

  • 誤差が生じる(水平に置かなければいけない)
  • 音量調整ができない(イヤホンや消音の操作が不可)
  • 細かい単位(裏拍)の設定ができない
  • 精密な機械のため取り扱いは丁寧に

 


◆電子式メトロノーム

そして電子式メトロノームのメリットを紹介します。

  • 持ち歩きに便利
  • 音量調整、イヤホンが可能(夜間練習に便利)
  • 細かい単位(裏拍)の設定ができる
  • チューナーが付属(ギターなどチューニングが必要な楽器には必須)

 

次にデメリットです。

  • 電池交換がいる
  • 音色を選べるものもあるが、電子音は否めない
  • 視覚として動くものもあるが、拍に立体感がない

 

◆様々なアプリのメトロノームについて

最近ではアプリのメトロノームは様々ありますね。

最初にメリットの紹介です。

  • 無料でダウンロードできる
  • 電池交換は不要
  • 途中で拍子やテンポを変えるプログラミングができる

そしてデメリットです。

  • スマホの通知音などに邪魔されることがある
  • スマホの充電が必要

 

藤井ピアノ教室で使い分けるメトロノームについて

 

メトロノームの種類を選ぶには、便利を重視するのか、その時々の目的で選ぶかで、違ってきます。

 

ちなみに、藤井ピアノ教室では電子式と振り子式を使い分けています。

 

私が一番重要視してるのは、拍の軌道が見えることです。

 

メトロノームの音とピアノの音にズレや乱れをなくすため!だけに使用してないからです。

 

単純に音を聞いて弾くだけの練習では、メトロノームに合わせる練習にとどまることが多くなります。

 

拍を感じたり、次の拍を予想できるようになることが大切です。

 

 

メトロノームを使う目的の基本は、等速感や拍感を養うことです。

 

リズムの刻みを確認したり、一定のテンポの中で崩れたところはないか、などをチェックするために使います。

 

★ただ、合わせることだけを重要視すると、音楽性が乏しくなります。

 

なので学習年数で、メトロノームの種類や使い方を変える必要があります。

 

電子式メトロノームの教室での事例

 

長年、光が流れる電子式のメトロノームを使っていますが、教室での事例をいくつかご紹介します。

 

ついつい振り子を見てしまうので・・・

  • 指がスムーズに動かなかったり
  • 打鍵ミスをしたり
  • 合わせることを意識するため音楽表現が貧弱になる
  • 見て聞いて弾くため、拍が乗り遅れる

弾くことがおぼつかない間は、振り子であろうが電子であろうが、メトロノームをかけながらの練習は良くないことがたくさん出てきます。

 

また、音を聞くだけできっちり弾けるように背後に置いて練習すると、もっと弾けなくなるかどんどんズレるかになります。

 

やはり、メトロノームを最大限に有効活用するには、使い方と使う手順が重要です。

 

そしてメトロノームを使った練習で大切にしたいことは・・・

 

●初心者、初級者は

  • 音符とメトロノームのカウントが、きっちり合うこと。
  • テンポの中で、読譜がスムーズにできること。

 

●中級者~は

  • メトロノームを、音の乱れを整えるだけでなく、立体感や空白感をイメージしながら、音楽のニュアンスを取り込むこと。

 

一番大切な事は、初級の段階でしっかり活用できること!です。

そのためにはメトロノームの使い方と練習の仕方が重要になります。

 

次回は、その大事な初心者、初級者のメトロノームの使い方と練習の仕方をご紹介します。